ころんくん
今回の記事は、ヤマトタケルのお墓「白鳥古墳」をご紹介していきたいと思います。
白鳥古墳はヤマトタケルのお墓という伝承が残る古墳として熱田台地の西側にあります。
ヤマトタケルは日本神話では英雄的な扱いで古事記や日本書紀に描かれています。
その活躍は目覚ましく現在の日本はヤマトタケルの活躍なしではなかったとも言われるほどです!
日本全国数々の伝説が残るヤマトタケルですが
尾張国には最愛の妻「宮簀媛」を残したまま伊吹山の神にやられてしまい
帰らぬ人になってしまいました。
その後、白鳥となって妻の待つ尾張国に舞い戻り静かに眠りについたと伝わります。
それが白鳥古墳です。
この記事ではさまざまな伝承が残る白鳥古墳について詳しくお伝えしていたいと思います!
目次
白鳥古墳とは
白鳥古墳は名古屋市熱田区にある古墳です。
古墳の形状は前方後円墳となっており、築造は古墳時代6世紀初頭だと考えられ、別名:「白鳥御陵」とも呼ばれています。
考古学的には被葬者は尾張氏の首長だと言われているが
熱田神宮社伝によるとヤマトタケルとなっています。
白鳥古墳の全長は70m(後円部:直径45m・高さの6.5m 前方部:長さ30m・幅55m・7m 昭和20年名古屋大学による調査)となっているが
道路建設や隣接する法持寺の移転改築などによって一部が掘削されてしまい
現在では前方後円墳の形を確認することはできなくなっています。
古墳では、さまざまな出土品は見つかっており
墳丘には須恵質の円筒埴輪が巡らされていました。
・装身具
勾玉、切子玉、管玉、双魚形腰佩
・銅鏡
六鈴鏡
・馬具
楕円形鏡板、f字形鏡板、劍菱形杏葉、鐘形杏葉、辻金具
・武器
直刀、鉾、小刀
【白鳥伝説】ヤマトタケルと宮簀媛
ヤマトタケルは第12代景行天皇の次男として誕生しました。
しかし、兄を殺してしまうほど強靭な男だったため
景行天皇は恐れを抱き、平定を目的とした遠征を命じます。
景行天皇はこの遠征で強い国と争い、戦死してくれることを目論みますが
無敵の強さを誇っていたヤマトタケルは次々に各地を支配していきました。
その途中、尾張国に立ち寄ったヤマトタケルは尾張国を納めていた「乎止与命」の娘:宮簀媛に一目惚れします。
ヤマトタケルは東の国を平定し終わったら結婚してくれとプロポーズし、宮簀媛はこれを承諾しました。
その後、無事東の国を平定したヤマトタケルは宮簀媛の待つ尾張国火上(現:緑区大高)へ帰還します。
こうしてヤマトタケルと宮簀媛は結ばれ、新婚生活を送る予定だったのですが
またしても平定の指示がヤマトタケルの元に届きます。
ようやく大きな仕事が終わってゆっくり新婚生活を送る予定だったのに妻の元を離れないと行けなくなります。
ヤマトタケルは宮簀媛に仕事を早く片付けてすぐに帰ってくると約束をします。
その時、腰に下げていた草薙剣を宮簀媛に渡し言葉を付け加えます。
「この剣は神の力が宿る為ソナタを守ってくれるものであろう」
こうしてヤマトタケルは伊吹山へ向かい荒ぶる神を鎮めに行きました。
しかし、ヤマトタケルは伊吹山の神にやられてしまいます。
負傷したヤマトタケルはボロボロの身体で故郷である大和へ帰還しようとするが
体力持たず、三重県鈴鹿の能褒野で力尽き命を落とします。
すると、ヤマトタケルは大きな一羽の白鳥となり大きく羽ばたき旅立ちました。
ここから先の話は古事記や日本書紀などで様々なことが書かれています。
古事記では河内国志幾に降り立ったあと再び飛び立ったと描かれ、
日本書紀では琴弾原、さらに旧市邑に降り立ったと描かれています。
熱田の地に降り立ったと書かれているのは『平家物語』の「剣巻」にみえます。
こうして熱田の地へ戻って来たヤマトタケルは宮簀媛の近くで彼女を見守り続けていきました。
ちなみに宮簀媛はヤマトタケルの訃報を聞き、形見である草薙剣を鎮める場所を探し、出来たのが熱田神宮です。
熱田神宮に草薙の剣があるのはなぜ?その歴史と理由をわかりやすく解説!
白鳥古墳の隣には尾張国最大の古墳「断夫山古墳」があり、一説には宮簀媛のお墓だと言われています。
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こうして夫婦は長い間熱田の地で一緒に過ごしましたとさ。
【散策レポート】現在の白鳥古墳
それでは白鳥古墳に実際に訪れて来たのでその様子をご紹介したいと思います。
白鳥古墳は熱田神宮より西側にある堀川沿いにあります。
隣には法持寺がありかつてはこの寺が古墳の管理を行っていました。
尾張名所図会にも昔から白鳥古墳と法持寺は一緒に描かれています。
現在の古墳は公園の一部になっている様子でした。
古墳内をよくみてみると墳丘ができていることがわかります
実際にヤマトタケルが眠っているかどうかは諸説ありだが
熱田の地はヤマトタケルとの関係はとても深い地だと考えて問題ありません。
以上が白鳥古墳のご紹介でした。