ミヤズヒメ【美夜受比売】

美夜受比売みやずひめってどんな神様?

ミヤズヒメはヤマトタケルの妃として古事記・日本書紀に登場します。

ヤマトタケルの死後、草薙剣を祀るために熱田神宮の創建に大きく関わった重要な役割を持つ神様です。

古事記や日本書紀ではヤマトタケルとの恋愛ストーリーはとても有名なものが多く

ヤマトタケルが祀られている神社に縁結びのご利益があるのはミヤズヒメの影響が非常に大きいと考えます。

ミヤズヒメとヤマトタケル

ミヤズヒメとヤマトタケルの出会いはヤマトタケルが東征を行うために尾張国に立ち寄ったことがきっかけとなっています。

大和国から東へ向かう途中尾張国によることになったヤマトタケルは

尾張国造であるオトヨノミコトの館にやってきました。

その時、オトヨノミコトの娘であるミヤズヒメと出会い

二人はお互いを一眼見た瞬間恋に落ちました。

ヤマトタケルはいきなり「東征が無事終わったら僕と結婚してくれ」

とプロポーズし、ミヤズヒメはあっさり承諾してしまい二人は婚約することになりました。

それからしばらくして東征から尾張国へ帰ってきたヤマトタケルとミヤズヒメは結婚パーティーを開きました。

ミヤズヒメがヤマトタケルにお酒を注ぎ終えて立ち上がった時、着物に血がついていることにヤマトタケルは気がつきます。

ミヤズヒメは生理だったのです。

ヤマトタケルは残念がり歌を詠いました。

仰ぎ見る天の香具山を、
鋭い鎌のように渡っていく白鳥。
その白鳥のようにしなやかな腕のお前を
抱こうとはわたしはするが、
寝ようとはわたしは思うが、
おまえの着ている裳(も)の裾に
月がのぼってしまったよ。

これに対してミヤズヒメも歌を詠いました。

天に輝く日のような御子様、
ご威光すぐれた わたしの大君よ。
新しい年が訪れ過ぎて行けば、
新しい月も訪れ過ぎていきます。
ほんとうに まあ あなた様を
お待ちいたしかねて、
わたしの着ております裳の裾に
月の出るのも当然でございましょう。

このようなやりとりをした後、

生理中にも関わらず二人は結婚初夜を過ごすことになりました。

それから数ヶ月後ヤマトタケルは次の仕事が入り伊吹山へ向かうことになります。

その時、ヤマトタケルは自分が側で守ってあげられない代わりに草薙剣を置いて行くことにしました。

ミヤズヒメは草薙剣を受け取りヤマトタケルを見送りました。

しかし、ヤマトタケルは伊吹山で命を落としてしまい二度とミヤズヒメの元に帰ってくることは無くなりました。

 

以上が古事記で描かれているミヤズヒメとヤマトタケルのお話です。

他にも尾張国風土記などの記録には詳細なエピソードが記されいたりします。

ちなみに
ミヤズヒメとヤマトタケルが一緒に暮らしていた場所は愛知県名古屋市大高にある氷上姉子神社の元宮です。

プロポーズした場所は斎山稲荷社です。

注意

ミヤズヒメの父であるオトヨノミコトは古事記には登場しません。

話の便利上個人的に登場した方がすんなりイメージできるので登場させました。

古事記ではミヤズヒメが尾張国造の祖としています。

熱田神宮の創建

ヤマトタケルの訃報が入るとミヤズヒメは悲しみに暮れました。

ですが神剣である草薙剣をこのままにしておいてはいけないと思い、正しい場所に奉ることにしました。

尾張国で最も霊験あらたかで神聖な場所を探し見つけた場所が今の熱田神宮の場所というわけです。

他の名称
  • 宮簀媛

美夜受比売の系譜

 

父:乎止与命 / オトヨノミコト

母:真敷刀婢 / マキシノトベ

兄弟:建稲種命 / タケイナダネノミコト

ミヤズヒメは尾張国の祖神であるニギハヤヒの系統です。

父であるオトヨノミコトは初代尾張国造(知事みたいなもの)でもあります。

ヤマトタケルと間には子供ができたかどうかは不明である。

美夜受比売が祀られている神社

神社名 所在地
氷上姉子神社 愛知県名古屋市緑区大高町火上山1−3
熱田神宮 愛知県名古屋市熱田区神宮1丁目1−1
松姤社 愛知県名古屋市熱田区神宮2丁目10
成海神社 愛知県名古屋市緑区鳴海町乙子山85
斎山稲荷社 愛知県名古屋市緑区大高町字斎山46
七所社 愛知県名古屋市中村区岩塚町上小路7
七所神社 愛知県名古屋市南区笠寺町字 天満1
東ノ宮神社 愛知県名古屋市瑞穂区1
八劔社 〒453-0854 愛知県名古屋市中村区高須賀町7
八劔社 愛知県名古屋市天白区野並3丁目239
十所社 名古屋市西区城町232
熱田社 名古屋市港区宝神町会所裏713
あとがき

神様の図鑑でご紹介している神様は

「古事記」「日本書紀」「先代旧事本紀」各地域に伝わる「風土記」

などの情報を辻褄が合うように編纂した内容となっています。

読み手によっては解釈の違いなどあるとは思いますが一つの説として理解してもらえれば幸いです。

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