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【酔笑人神事】夜の境内で笑い声が響き渡る熱田神宮の不思議な神事

ころんくん

熱田神宮の奇祭「酔笑人神事」に参加してきたわん!

今回の記事は、熱田神宮で行われる酔笑人神事えようどしんじについて詳しくお伝えしていきたいと思います。

熱田神宮では一年を通して様々な神事が行われています。

その中でも「酔笑人神事」は、灯りを一切ともさずに所定の場所で

神職が”大笑い”するという神事の中でもかなり珍しい変わった神事です。

しかし、ただ変わっているだけというわけではなく

「酔笑人神事」は熱田神宮の御神体である草薙剣に関係した重要な神事でもあります。

今回、熱田神宮の「酔笑人神事」に参加してきたので

具体的にどのように神事が行われているのかも合わせてお伝えしていきたいと思います。

酔笑人神事とは

「酔笑人神事」は別名「オホホ祭り」と呼ばれ

毎年5月4日の午後7時から熱田神宮の影向間社前・神楽殿前・別宮前・清雪門前の四ヶ所で行われます。

これらの場所で神職らが灯りを一切ともさない暗闇の中で

「ワハハハ」と意味深に高笑いを数回繰り返す神事となっています。

本来、神事では祝詞や神饌など神様に対して行うのが通常なのですが

「酔笑人神事」ではこれらの工程は一切なくただただ“笑う”という

全国的にみても珍しい神事となっています。

なぜ酔笑人神事が行われるようになった?

それでは、「酔笑人神事」が行われるようになったのか?

その歴史を詳しくみていきたいと思います。

まず、熱田神宮の公式HPに書かれている内容を確認していきます。

天智天皇の御代、故あって神剣は一時皇居に留まられましたが、朱鳥元(686)年勅命により当神宮に還座(かんざ)されました。

この時、皆がこぞって喜んだ様を今に伝えるものです。喜び笑う様から「オホホ祭り」とも呼ばれます。

この神事では祝詞・神饌がなく境内の灯りも全て消されます。古くより見てはならないと語り伝える神面を神職各自が装束の袖に隠し持ち、

中啓という扇で神面を軽く叩いた後、全員が一斉に「オホホ」と笑う神秘的な神事です。

出典:熱田神宮公式HP

つまり、草薙剣が天皇の元から帰ってきたことを喜ぶために行われたものが起源ということです。

神事の由緒は理解することができます。

しかし、この紹介文にはいくつか疑問が残ります。

そもそもなぜ草薙剣が天皇の元にあったのでしょうか?

古くから草薙剣は熱田神宮の御神体として熱田の地に鎮座していました。

所有権が天皇にあるからと言って天皇が皇居に草薙剣を置くことは許されていませんでした。

では、なぜ草薙剣が天皇の元にあったのでしょうか?

それは、「草薙剣盗難事件」が大きく関わっていると言われています。

この事件は、飛鳥時代の668年に沙門道行と呼ばれる僧侶が熱田神宮から草薙剣を盗み出した。という大事件が起こりました。

その後、沙門道行は新羅(朝鮮半島)へ逃亡しようとするが

激しい暴風という草薙剣の祟りによって逃亡を断念し、自首します。

草薙剣を今後盗まれないようにと宮中で保管されるようになるが

18年後の686年に天武天皇が病にかかってしまいます。

これを草薙剣の祟りと占によって判明し、元の鎮座地である熱田神宮に返還されたという一連の事件がありました。

その時に、当時の神職らはお酒を飲んで酔っ払い草薙剣が帰ってきたことを「オホホ」と笑い喜んびこの事件を忘れないために神事として残し、今に伝えていると言われています。

ちなみに、熱田神宮公式ではこの事件は大失態なので公には「故あって」と詳しく明かしていません。

だから神事も夜に誰にも見られないように灯りを消して行っているのではないでしょうか。

酔笑人神事の読み方に隠された謎

「酔笑人神事」の読み方について違和感を覚えた人も多いのではないでしょうか?

「えようど」だと「笑酔人」の方がしっくりきませんか?

実は元々は「酔笑人神事」という字は使われておらず

「會影堂神事」と書かれていたようです。

『熱田神宮年中神祭定日儀式帳』という江戸時代の延宝年間に成立した書物に

5月4日の項目には「會影堂神事」と書かれています。

會影堂神事は、内容は今とほとんど変わっていませんが夜に人目を避けて行うものとされており、当時はこの神事を見たものは病に犯されてしまうと言い伝えられていたようです。

それから明治に入って酔いながら楽しく笑うという部分が注目されていき

“酔いながら笑う人”から「酔笑人」という字に「えようど」を当てたと考えられます。

酔笑人神事に参加してみて

今回実際に「酔笑人神事」に参加させてもらいました。

夜の神事ということもあってひっそりと行う神事だと予想していたのですが大外れです。

200人はいるでしょうか

たくさんの人がこの神事を一目見ようと夜の熱田神宮に足を運んでいました。

GWのど真ん中ということも大きな要因ではないでしょうか。

「酔笑人神事」は19時にご祈祷を終えた神職らが本宮前に第三の鳥居から出発して

影向間社・神楽殿・別宮・清雪門の順にそれぞれ回って神事を行っていきます。

全て終えるのに大体1時間くらいはかかるでしょうか。

大変に興味深い神事でした。

もし、「酔笑人神事」にこれから参列する予定のある方は

写真撮影等の時のフラッシュにご注意ください。

撮影は禁止されていませんが光は厳禁となっています。

当日は撮影の設定を今一度見直して参加してくださいね。

 

翌日の5月5日には神輿渡御神事という

酔笑人神事同様に草薙剣が帰ってきたことを神輿を担いで行列をつくり、

巫女による「御剣」の舞や宮司による祝詞が行われる神事となっています。

酔笑人神事は熱田神宮側がひっそりと行うものに対して

神輿渡御神事は日中に盛大行うものなのでセットで神事に参加してみるとよりいいと思います!

 

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