ころんくん
今回の記事は、江戸時代の頃に刊行された尾張国の旅行ガイドブック「尾張名所図会」についてお伝えしていきます。
尾張名所図会はその名の通り、尾張国(愛知県西部)の名所が書き記してある旅行ガイドブックです。
現代でいうところの「るるぶ」や「まっぷる」と言ったものの江戸時代版です。
江戸時代の頃の尾張国の街の様子などが詳細に描かれているため
歴史資料としてとても貴重な文献となっていて名古屋市が大切に保管しています。
この記事では、尾張名所図会を使った現代ならではの活用方法もお伝えしているので
名古屋の街の魅力を再発見できるかもしれません!
目次
尾張名所図会とは
尾張名所図会は江戸時代末期から明治時代初期にかけて刊行された尾張国の旅行ガイドブックです。
尾張国八郡の名所が文章と挿絵で紹介されており、前編7巻・後編6巻の全13巻で構成されています。
(画像引用:http://www.tt.rim.or.jp/~ishato/tiri/gun/map/1871/12bisan.htm)
愛智郡・知多郡・海東群・海西群・中嶋群・春井群・葉栗群・丹羽郡
尾張藩士で学者の岡田文園と商人である野口道直が文章を担当し、
浮世絵師である小田切春江と森高雅が挿絵を担当しました。
天保9年(1838年)から天保12年(1841年)までの約3年をかけて執筆し、
天保15年(1844年)2月に前編の7巻が刊行されました。
しかし、これによって野口家の財産をほとんど使い果たしてしまい、完成させることができなかったようです。
その後、後編6巻の刊行は明治13年(1880年)、愛知県の資金援助を受けて名古屋の書肆「永楽屋」の片野東四郎によって全13巻が完成されました。
尾張名所図会の内容
具体的な内容は、尾張の名勝、古跡、風俗、名産、神社仏閣などを文章と絵で説明した地誌となっています。
前編
1〜5巻:愛智郡
6巻:知多郡
7巻:海東群・海西群
後編
1・2巻:中嶋郡
3・4巻:春日井郡
5巻:葉栗郡
6巻:丹羽郡
【神社の図鑑式】尾張名所図会を使って名古屋歴史探訪!
尾張名所図会は単に歴史的資料としてではなく、現代でも名古屋の街を旅するのにとても役に立ちます。
題して!【神社の図鑑式 名古屋歴史探訪】です。
尾張名所図会を使って名古屋の街を歴史探訪するために使います。
具体的にどうやって使うのかというと
尾張名所図会に描かれている場所に訪れて当時と現在の街を比較して新しい発見をすると言ったものです。
例えば、熱田神宮を例にして解説してみます。
現在の熱田神宮は国道1号線と19号線に挟まれた街の中にあります。
熱田神宮の参拝といえば境内を散策して終わりなのが現代です。
しかし、尾張名所図会をみてみると見どころは境内だけにとどまらず、
「宮宿」「七里の渡し」と現在の街並みとは違った熱田が見えてきます。
他にも参道には10mを超える大鳥居があったりとか
現在と違った場所に神社があったりと遺構を巡って想いを馳せることができます。
宮宿辺りなんて現在はただ住宅が立ち並んでいる光景ですが
ここにはかつて多くの宿場やお店などが立ち並んでいたことが尾張名所図会を見ればわかります。
現在ではなんでもないところが不思議と印象的な場所に早変わりするのが歴史探訪です。
アニメの聖地巡礼と違って、歴史探訪は実際にそこに人がいたということが一番大きな違いだと僕は感じます。
熱田神宮の歴史探訪は別の記事に詳しく紹介しているのでよかったら参考にしてみてください!
尾張国以外にも名所図会はたくさんある
今回は「尾張名所図会」という尾張国の名所図会をピックアップしてお伝えしていますが
名所図会は他の国にも存在しているので気になるところがあれば調べてみてください。
江戸時代はまだ国ごとに独自の文化が色濃く根付いていたので
名所図会を使うことでその地域の新しい発見ができると思います。
現代の最新文化を楽しむのもいいですが、日本は歴史の国なので過去を知るのも日本を楽しむ大きなやり方だと思います。
それでは今回の記事はここまでです!
またどこかの神社の記事でお会いしましょう!