ころんくん
今回の記事は熱田神宮の境内にある「ならずの梅」についてご紹介していきたいと思います。
ならずの梅は熱田神宮の境内におよそ400年前からあると言われている梅の木です。
この梅の木はちょっと曰く付きの梅の木として広く知られているのをご存知でしょうか?
実は伝承によれば、過去一度も梅を実らせたことがないと伝えられています。
毎年、綺麗な花は咲かせるが実は付けないという奇木。
この記事では、そんな不思議な「ならずの梅」についてご紹介していきます!
目次
400年間一度も梅が実らない熱田神宮の「ならずの梅」とは
熱田神宮の境内にあるならずの梅は、神楽殿正面広場に高さ3mほどの梅の木です。
江戸時代模写の享禄古図(室町時代の境内)にも描かれていることから
樹齢は400年ほどと推測されています。
ただ、400年前の梅の木がそのままというわけではなく
株分などを繰り返して現在の位置に自生しているということです。
熱田神宮に残る伝承には、未だかつて花は咲くがなぜか梅が実らないということで
珍しがられていたようです。
これ以上詳しいことは残っていないようでわかりませんが
昔の人の価値観から考えると実がならない木は「不吉」だの「縁起が悪い」と思われて
すぐに伐採されてしまうと思います。
だけど、こうして熱田神宮の境内に現在も梅の木が残っていることから
何らかの意味や伝説があったのかもしれません。
尾張名所図会にも記事となっていた
尾張名所図会という江戸時代に発行されていた観光案内ブックのようなものがあります。
それにならずの梅について書かれていたので紹介しておきます。
不実梅古木の事
もとの木はとく枯れて、今のは植づきの若樹なり。
その旧樹は紅梅にて、木の模様も今のとは甚だたがへり。
『正事記』に「ならびの梅は八重くれないの花さく」云々申す見え、
『世説雑話』には「熱田の神木の事 当社の南門を入りて右の方に高さ5尺余りの梅木あり。木枝とも松なり。年々こずあへ出ず。是を松にして皮あり。此のずあへに梅の花咲く。しかれども、実はのらず。是の奇代の木なり」としるせり。
今の木は花も白く、木皮も松の如くあらびたるにはあらず。
古老の人のはなしに「むかし見し樹は、みきも枝も赤松の如く、普通の梅とは、少しかはりたるやうに覚ゆ。
葉はことごとく梅葉にて、松葉はさらになかりし」といへり。
「ならずの梅」の開花時期や見頃はいつ?
ならずの梅の開花時期は一般的な梅の木と同じの2月から3月にかけてが開花の時期となっています。
2024年の2月24日に僕が訪れた時の開花状況はこんな感じでした。
結構見頃を迎えている状態ではないでしょうか?
2月後半から3月前半を目安にすれば綺麗な梅の花を見ることができると思います。
花を楽しむなら2月の熱田神宮
熱田神宮の境内には他にも綺麗な花を咲かせる木があります。
別宮八剣宮の境内にある「太郎庵椿」です。
太郎庵椿は10月から4月くらいの間に淡紅色に色付く綺麗な椿の花をつけます。
ならずの梅と2月〜3月の時期がちょうど被るので
この時期に熱田神宮に訪れたらぜひ花もチェックしておきたいですね!