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神坐日向神社

神坐日向神社は大神神社の摂社として境内南方に鎮座する神社です。

御祭神には櫛御方命くしみかた飯肩巣見命いいかたすみ建甕槌命たけみかづちの三柱をお祀りしており、

この三柱は大神神社の初代祭祀を司った「大田田根子おおたたねこ」と「大物主神」との間の神々です。

つまり、大物主神の子(櫛御方命くしみかた)と孫(飯肩巣見命いいかたすみ)とひ孫(建甕槌命たけみかづち)です。

神坐日向神社はかつて、三輪山の山頂に「高宮神社」と同じように鎮座していた神社だと言われているが、明治の頃に現在地へ遷座したと伝えられています。

この時、高宮神社と神坐日向神社が入れ替わってしまったと言う説が考えられています。

本来、高宮神社が山頂から現在の神坐日向神社の位置に鎮座するはずのものが入れ替わってしまったということです。

両神社の御祭神を見てみるとチグハグなことがわかります。

高宮神社の御祭神は「日向御子神」と記されており、太陽の神が祀られています。

高宮神社の高宮はおそらく高宮家のことをさしていて高宮家は「大田田根子」の末裔の一族でもあります。

始祖である大田田根子と関係の深い三柱を祀ってあるのも納得です。

その証拠に、大神神社の記録には明治18年(1885年)に政府に対して両神社名の訂正を行なってほしいと要望を出したようです。

しかし、この要望は却下され今に至ります。

この入れ替わりが本当ならかなり大きなミスだと考えられます。

神坐日向神社は社名にあるように「日向」は太陽信仰を意味しています。

太陽信仰といえば「天照大神」だと考えられますが

ここでいう太陽信仰は天照大神の信仰ではなくそれ以前から行われていた原初に近い崇拝だったと考えられます。

つまり、神そのものである三輪山を信仰しつつ、山頂では太陽を崇拝していたことになります。

もしかしたら崇神天皇の時代に宮中から天照大神を外へ出したのは古来から住まう太陽の神(三輪山の山頂)がいたからなのかもしれませんね。

また、伊勢神宮を創建した「倭姫」にまつわる「倭姫命世紀」では、

宮中から持ち出された神鏡(天照大御神)は豊鍬入姫が倭笠縫邑に祀ったあと

弥和乃御室嶺上宮みわのみむろのみねのうえのみや(三輪山の山頂)で二年間奉斎したと記されています。

色々と諸説のある神社です。

所在地 奈良県桜井市三輪123
創建 不明
建築様式 大社造
社格等 大神神社摂社・式内社
御祭神 櫛御方命くしみかた飯肩巣見命いいかたすみ建甕槌命たけみかづち
神事 / 祭り
御朱印 無し