ころんくん
今回僕が訪れたのは奈良県吉野郡野迫川村にある「立里荒神社」という神社です。
紀伊山地の中心部分に鎮座している秘境神社です。
山奥にあるがゆえにアクセスが非常に大変です。
バスは一日、一本。
車は険しい山道を2時間ほど走行する必要のある場所です。
でも、苦労していくだけの価値のある神社だと僕はそう思います。
もし興味がありましたら足を運ぶことをお勧めします。
目次
【参拝紀行】檜の鳥居が並ぶ秘境神社「立里荒神社」に行ったらパワースポットすぎた
2022年12月初旬。
本格的に冬が始まろうとしている頃、
日の出と共に僕は紀伊山地の中心にいた。
標高1260mの荒神岳の朝は凍てつくほどの冷たい風が露出している顔面を突き刺してくる。
明け方には粉雪が舞っていた。
そう、ここは「立里荒神社」だ。
なぜ日の出と共にこんな山奥にいるのかというと雲海を見るために夜のうちにここまできていたからです。
立里荒神社のある野迫川村は雲海が多く発生する有名な場所でもあります。
最近雲海にハマっているためわざわざ険しい山道を真夜中に登ってきたのだ。
雲海の詳細はこちらの記事で詳しく紹介しています。
さて、立里荒神社を参拝していくことにします。
車を奈良県方面から走らせて2時間ほどで立里荒神社に到着します。
途中、県道733号線から左に分岐する道が現れるのでそこを左に進んでいく
曲がってすぐに荒神社と書かれた社標が見えてきます。
ここから7分ほどさらに登っていくと立里荒神社が見えてきます。
車を駐車場に停めて参拝していきたいと思います。
朝イチだと神社の方から日がさしてくるのでなんともありがたさを感じます。
一礼を済ませて一の鳥居をくぐっていきます。
ご覧いただいた通り、木々には粉雪が付着している状態で見た目からも寒さが伺えるのではないでしょうか。
でも、このうっすら積もった雪が風情を出していて景色としてとても綺麗でもあります。
光の加減でピンクに見えるから桜が咲いているかのようです。わら
今回、僕が立里荒神社に訪れた理由は
「檜の鳥居郡をみてみたい!」
という思いがあったからです。
鳥居が連続して並んでいる光景はよく稲荷神社に見られますよね。
でもそれは赤い鳥居です。
この立里荒神社は赤く塗られていない檜の鳥居がずらーっと立ち並んでいるようなので
それを見たくてこの山奥まで馳せ参じた次第です。
先ほどの鳥居から少し歩き進んでいくと見えてきました。
ほんとに赤くない鳥居が奥へと立ち並んでいるではありませんか。
見応えのある鳥居ですね!
不思議な世界への入り口かのような感じを醸し出しているようです。
鳥居の横にある建物は祈祷殿といってここで御朱印やお守りなどをいただける場所になっています。
現在の時刻は7:50。
祈祷殿は8:30からのようなので本殿にて参拝した後
ちょうどいい時間になりますね。
それでは本殿に向けて檜の鳥居たちをくぐっていきます。
朝イチということもあって空気は澄み切っています。
誰もいない山奥で自分の足音と風によって木の葉が擦れ合う音だけが僕の鼓膜を震わせている。
鳥居をよく見てみると苔が茂っていて自然と一体になっている感じが神秘的だと感じてやみません。
少し行った所に突然メタリックの鳥居が現れました。
なぜここだけメタリックなのかは不明ですが確かにメタリック鳥居がここにありました。
他にも立て替えた新しい鳥居もあったりと単調に同じ鳥居が並んでいるだけではないので飽きませんでした。
5分ほど登ったところでV字に折れ曲がるポイントがありました。
素晴らしい光景ですね。
思わずカメラを構えてしまいました。
これほどの贅沢はなかなかありません。
鳥居を堪能しながら登ることおよそ10分。
ようやく本殿が見えてきました。
ここまで登ってくると流石に息が切れます。
空気が冷たいから肺がキンキンに冷え切っていることを如実に感じます。
本殿到着です。
朝日が差し込んできて神々しさをより一層引き立ててくれました。
これは僕が感じたことになりますが
不思議なパワーを感じました。
ちょっとスピリチュアルな話になって申し訳ありませんが
本殿と対峙した時、心が表れたような不思議な力を感じ取ることができました。
素晴らしい鳥居を見させてもらったり
山奥の新鮮な空気を吸ったりして気分が高揚していただけかもしれませんが
確かに何かを感じることができました。
立派な本殿には大きな幹の檜の木が本殿と共存していることが伺えました。
人間のエゴで邪魔だから切るのではなくそこにあるものと共存させていることが素晴らしいと感じました。
立里荒神社は火の神様である火産霊神が祭神として祀られています。
後で祈祷殿にて神職さんに教えてもらった話なのですが
やはりここには火に関係した企業の方や職人さんたちがお参りに来るそうです。
火は便利で生活には必要不可欠なものですが一歩間違えると破滅をも呼び込んでしまうものです。
だから火を扱う人は火の神様に安全祈願などしているようですね。
僕は火に関係した仕事はしていませんが
ひとり暮らしで自炊をよくするので小火などそういった所に祈願させていただきました。
(まぁ僕のアパートはオール電化だから火は使わないのだけどね・・・わら)
しっかりと手を合わした後、再度鳥居の階段を降りて帰ります。
本殿のすぐ下には摂社の五社神社があるのでご挨拶して本殿を後にします。
下まで降りると時刻は8:30過ぎ。
祈祷殿が開いている時間になっていました。
こちらで御朱印と御朱印帳をいただいて立里荒神社の参拝は終わりです。
立里荒神社の神様について【火産霊神】
立里荒神社に祀られている神様についてお伝えできればと思います。
御祭神である火産霊神は古事記の国産みのパートで登場する神様です。
イザナギとイザナミが日本を作っていくお話の中で火産霊神は登場しました。
ある日、いろんな島や神様をイザナギとイザナミが作っている中で火産霊神は誕生しました。
しかし、かわいそうなことに火産霊神は生まれてすぐに父であるイザナギに殺されてしまいました。
イザナミが火産霊神を出産した時、陰部を大火傷してしまったのです。
火の神でもあるから火産霊神は全身に火を纏っていたのでしょう。
あそこから火が出てきたから当然大火傷です。
これが致命傷でイザナミは死んでしまいました。
すると夫であるイザナギは怒り狂い火産霊神をその場で殺してしまったのです。
残念ながら火産霊神はこれで出番終了です。
かわいそうですよね。
生まれてすぐに母親を殺してしまい
父親に殺されてしまうという・・・
でも一瞬ではありましたがちゃんと火産霊神は重要な役割がありました。
日本神話の不思議なところ!
神様からはいろんな神様が生まれる!
有名な神様でアマテラス・ツクヨミ・スサノオはご存知の方は多いと思います。
この三神はイザナギが禊を行なっている時に目や耳を池で洗った時に突然誕生した神様なんです。
謎ですよね。
なら火産霊神もわざわざ隠部から出さなくてもよかったのではないのか?という疑問が残ります。
火産霊神が殺された時もその血などからさまざまな神様が誕生しました。
代表なところで言うと「建御雷神」です。
古事記でも後々、国譲りのお話で出雲大社の神様である「大国主命」とやり合う神様でもあります。
つまり、この古事記のお話からどういったことがわかるかというと
火の危険さを伝えていると解釈できます。
生活にとって便利な火ですが使い方を間違えたら人の命を奪ってしまうものでもある
と言うメッセージがここには込められています。
だからすぐに殺されて(鎮火)しまったのだと思います。
故に火産霊神は火の神様であるとともに防火の神様でもあります。
だから火に関係する企業や職人の方は商売繁盛と火による事故をなくすために祈願しているのだと思います。
ちなみに和歌山県の方では台所の神様として立里荒神社は深い信仰を集めているようです。
確かに台所も火と密接に関係しているところですもんね。
まとめ
立里荒神社の境内は雰囲気と共に大満足のいく神社でした。
ただアクセスが非常に大変なのがね・・・
でも秘境好きの僕はそれも含めて満足です。
立里荒神社が街の中にあっては素晴らしさが半減するってもんです。
山奥にあってこその立里荒神社。
僕が思うに立里荒神社は火の神様故にかなりのパワースポットだと感じました。
火には我々の生活を支える計り知れないパワーがあると思います。
だからそのパワーを感じるために訪れてもいいかもしれません。
あなたもご縁がありましたら導かれるがままに訪れてみてください。
他の神社とは違ったことを感じることができると思います。